あらすじ一日で二万句を詠み、十年で三十の人気作を著した元禄の鬼才・井原西鶴。醒めた眼で金銭を語り、男と女の交情をあますところなく描く。芸能記者にして自らも芸人、そしてエンタメ作家として人気を博した。評伝的史料は極めて少なく、実在さえ疑われることもあるけれど、芥川や太宰をはじめ数多くの作家と読者を今も魅了しつづける。仕事と人生を「鬼のような心」で全うした謎多きマルチタレントの実像に迫る。