「人間の直感はなぜ間違うか?」。その命題を突き詰めてあらゆる学問の常識を覆したのは、2人の天才心理学者だった。生い立ちも性格も全く違うカーネマンとトヴェルスキーの共同研究は、やがて経済学の分野にも革命を齎(もたら)すのだが……。『マネー・ボール』で著者が見落としていた先に隠されていた、感動のヒューマン・ドラマ。解説・阿部重夫「ぼくらは友だちだ。きみがどう思っていようと」不合理な人間モデルを前提とした行動経済学を生み、世界を永遠に変えた、2人の天才科学者の友情と別れ世界的ベストセラー『ファスト&スロー』著者にして、ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマン。華やかに見える彼の人生には、決して欠かすことのできない共同研究者がいた。彼の名はエイモス・トヴェルスキー。カーネマンはこの悲運の天才を愛し、そして激しく嫉妬した――。※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本『かくて行動経済学は生まれり』を改題した文庫版を底本としています。