寂しさを消すことができるなら、私は死んでもいい――女が女になり、女でしかなくなる瞬間を描く問題作!わたしの心が「寂しいの、なんとかして」と色目ならぬ物欲しげな瞳を駆使して、受動的に、男を付け狙っているわけです。(中略)男に付け込まれるように、狙われるように、心がそういう風に巧みに振る舞っているわけです。これがわたしの本性であるところの「受け身のストーカー」です。(本文より)これは、性にまつわるあらゆる体験を味わい尽くす「女」の物語。女という性をやめられず、女という性から逃れられない「生」の先には何が見えるのか?太宰治の『人間失格』を下敷きに、「女性が女性であることで覗きこむ深淵」を照らし出す意欲作!