75年の時を超えて発見された奇跡の日記文学――田辺聖子版「アンネの日記」我が家の焼失、敗戦、早すぎる父の他界……。すべてを失った彼女はそれでも、小説家への夢だけは諦めなかった。2019年に惜しまれつつこの世を去った国民的作家・田辺聖子。没後2年の今年、1945年から47年までの青春期を綴った日記が発見された。記されていたのは、「大空襲」「敗戦」「父の死」「作家への夢」……。戦時下、終戦後のままならない日々を、作家志望の18歳はいかに書き過ごしたのか。月刊「文藝春秋」に掲載されるや、たちまち新聞・テレビ等で大反響となった、田辺文学の源泉にして、一級の時代の証言。雑誌未掲載原稿、中短篇4作を収録したほか、梯久美子氏の解説をはじめ、注釈、年譜なども加えた完全版、ついに刊行。