あらすじ──植物は嘘をつかない植物は優しい。どこまでも優しい。植物に囚われる、この病は人々の救いなのかもしれない。樹木医である雨宮芙蓉は、心療内科医の朝比奈匡助の依頼で、奇妙な仕事をしていた。それは寄生植物病(通称・ボタニカル病)、つまり植物に寄生されるという未知の病に罹った人々を診察すること。さまざまな植物に寄生された患者たちを治療するために、患者たちの持つ苦悩に向き合い、耳を傾ける芙蓉。しかし、この病には大きな謎が潜んでいた──。朝宮運河・解説/丹地陽子・装画