あらすじふいに襲う殺人の幻視。幻視者は「友」を止められるのか?――恐怖と正義、友情の間で揺れる主人公の葛藤。『記憶屋』の織守きょうやが描く、人間の闇を炙り出した渾身のサスペンス・ミステリ!ある特殊能力のせいで、他人に関わらないように生きてきた久守一は、偶然、その力で美大生の佐伯が巷を騒がせる連続殺人犯だと知ってしまう。社交的で人当たりもよく、とても殺人犯には見えない佐伯は、捜査線上に浮かんですらいない。柄でもないと思いながらも、自分や後輩の身を守るため、犯行の証拠を探す久守。しかし、友達のふりをしているうち、佐伯に対して本当の友情を感じ始めてしまう――。青依青・装画