“今小町”と呼ばれ、「居眠り磐音」シリーズの中でも屈指の人気キャラクター、おこんの若き日。十四歳の江戸っ娘が、自らの道を切りひらく。母を亡くしたばかりで、父親の金兵衛と二人で暮らす十四歳のおこん。その長屋にある日、下野国から訳ありの侍・曽我蔵之助夫婦が幼子を連れて流れ着いた。実の姉のように接してくれる女房の達子を慕うおこん。だが彼らには江戸でやらなければいけないことがあった――。「妹と姉」に加え、今津屋番頭の由蔵との出会いをきっかけに奉公に至るまでの「跡継ぎ」と、おこんが自立していく様を描いた二編。