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ホントはやなこと、マジでやめてみた

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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。大人気マンガ家、瀧波ユカリさん も推薦!「完璧な人間になるよりも、もう少し軽く明るく生きたい…そんな人にぜひ読んでほしい! 」『モトカレマニア』『臨死! ! 江古田ちゃん』 などのコミックで全国の女子から共感を呼んだ瀧波ユカリさんが、表紙や本文中のイラストをすべて書き下ろし!★ ★ ★ ★ ★「はじめに」より抜粋▼ 人生最高の瞬間は、突然おとずれた ▼そもそものはじまりは、女友達のカトリンに「くたばっちまえ! (F**k you!)」って告げたことだった。……いや、ちょっと言い訳させてほしい。わたしは基本、他人にそんなこと言わない。くたばっちまえとか、そんな人様の絶命を願うような下品な言葉をやたらと連呼するタイプじゃないので。いついかなるときも。……車の運転中は、まあ別として。でも、カトリンって人は――これは声を大にして言いたいのだけど、彼女はよくいる例の、あのタイプの女性だった。ほら、いるでしょ?話してると常にこっちが悪いみたいな空気になって、その罪悪感に微妙につけ込んでくる人。グチってばかりで自分では何ひとつ変えようとしない人。紙パック入りのジュースをチュウチュウ吸う子供みたいに、こちらの気力を吸い取っていく人。わたしにもだんだんとわかってきた。カトリンはうつ病なんかじゃなく、ただの「ザンネンな人」 なんだってことが。なぜもっと早くカトリンと縁を切らなかったのか、自分でもうまく説明できない。そして、そのことに薄々気づきはじめてからは、今度は彼女と正面からぶつかるのを避けてきた。(中略)そしてわたしはこの縁切りミッションをいかに完遂すべきか頭を悩ませていた。気まずい思いをしないためにはどうしたらいいか……。悩んだすえ、いくつか別の案を考えてみた。・恋人を代理人として派遣する・カトリンにはわたしが非業の死を遂げたとでも思わせておいて、どこか別の土地で人生をやり直す・ガチで非業の死を遂げるだが、やがて決定的瞬間は訪れた。そのとき、わたしはちょうどカトリンとカフェにいた。ラッキーだったのは、彼女があまりにもクソだったので 、こみ上げる感情をそのままぶつけることができたってこと。怒りの波に乗って、わたしはその歴史的瞬間を迎えた。「カトリン? 」「なあに? 」「くたばっちまえ! (F××k you!)」それくらい別にたいしたことないじゃんって思う人もいるかもしれない。でもそのときのわたしは、身長二メートルのジャンヌ・ダルクになった気分だった。そのまま席を立ち、カフェの出口に向かう。まるで、スローモーションでリングに向かうボクサーみたいに、トランペットやら何やらを総動員した感動的なBGMを背に、わたしは退場をキメた。きわめつけにコートの裾をばさっとはためかせたもんだから、近くの棚にのっていたビラの束が派手に吹き飛ぶ。とばっちりを受けたビラがひらひらと床に舞い落ちるなか、わたしは顔を高く上げ、外に歩み出た。そのまま店先で待つ愛馬の背に飛び乗って、さらなる冒険の旅へ――なんて西部劇みたいな展開になっても不思議じゃない勢いで―――
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あらすじ

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。大人気マンガ家、瀧波ユカリさん も推薦!「完璧な人間になるよりも、もう少し軽く明るく生きたい…そんな人にぜひ読んでほしい! 」『モトカレマニア』『臨死! ! 江古田ちゃん』 などのコミックで全国の女子から共感を呼んだ瀧波ユカリさんが、表紙や本文中のイラストをすべて書き下ろし!★ ★ ★ ★ ★「はじめに」より抜粋▼ 人生最高の瞬間は、突然おとずれた ▼そもそものはじまりは、女友達のカトリンに「くたばっちまえ! (F**k you!)」って告げたことだった。……いや、ちょっと言い訳させてほしい。わたしは基本、他人にそんなこと言わない。くたばっちまえとか、そんな人様の絶命を願うような下品な言葉をやたらと連呼するタイプじゃないので。いついかなるときも。……車の運転中は、まあ別として。でも、カトリンって人は――これは声を大にして言いたいのだけど、彼女はよくいる例の、あのタイプの女性だった。ほら、いるでしょ?話してると常にこっちが悪いみたいな空気になって、その罪悪感に微妙につけ込んでくる人。グチってばかりで自分では何ひとつ変えようとしない人。紙パック入りのジュースをチュウチュウ吸う子供みたいに、こちらの気力を吸い取っていく人。わたしにもだんだんとわかってきた。カトリンはうつ病なんかじゃなく、ただの「ザンネンな人」 なんだってことが。なぜもっと早くカトリンと縁を切らなかったのか、自分でもうまく説明できない。そして、そのことに薄々気づきはじめてからは、今度は彼女と正面からぶつかるのを避けてきた。(中略)そしてわたしはこの縁切りミッションをいかに完遂すべきか頭を悩ませていた。気まずい思いをしないためにはどうしたらいいか……。悩んだすえ、いくつか別の案を考えてみた。・恋人を代理人として派遣する・カトリンにはわたしが非業の死を遂げたとでも思わせておいて、どこか別の土地で人生をやり直す・ガチで非業の死を遂げるだが、やがて決定的瞬間は訪れた。そのとき、わたしはちょうどカトリンとカフェにいた。ラッキーだったのは、彼女があまりにもクソだったので 、こみ上げる感情をそのままぶつけることができたってこと。怒りの波に乗って、わたしはその歴史的瞬間を迎えた。「カトリン? 」「なあに? 」「くたばっちまえ! (F××k you!)」それくらい別にたいしたことないじゃんって思う人もいるかもしれない。でもそのときのわたしは、身長二メートルのジャンヌ・ダルクになった気分だった。そのまま席を立ち、カフェの出口に向かう。まるで、スローモーションでリングに向かうボクサーみたいに、トランペットやら何やらを総動員した感動的なBGMを背に、わたしは退場をキメた。きわめつけにコートの裾をばさっとはためかせたもんだから、近くの棚にのっていたビラの束が派手に吹き飛ぶ。とばっちりを受けたビラがひらひらと床に舞い落ちるなか、わたしは顔を高く上げ、外に歩み出た。そのまま店先で待つ愛馬の背に飛び乗って、さらなる冒険の旅へ――なんて西部劇みたいな展開になっても不思議じゃない勢いで―――

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