あらすじ明治44年に起きた吉原大火ののち、東亰・隅田川に花艇を浮かべて返り咲いた、優雅で艶やかな水上遊郭。大火で両親を亡くし、客を送迎する番人見習いの船頭になった利壱は、ある日、長春楼楼主に頼まれ、娼妓見習いのツバキを切見世へと連れていく。利壱が見つめるのは、欲望渦巻くまやかしの世界だった――。水上吉原を牛耳る老獪な廣川が仕掛ける謀略と、待ち受ける驚きのラストに心揺さぶられる、新感覚エンタメ時代小説。