銀色ロケットの遊具、妖しいネオン、白い鳩の羽、水浴びするワニ。はじめて見る場所なのに、ちょっとだけ懐かしい。ひなびた町の片隅に、ポップな色彩がはじける、著者初のカラーフォト&エッセイ集。「今、私はあの世から、この世に戻って来たところだ。そして、この世の景色を眺めているのだ。はじめて見る場所なのに、ちょっとだけ懐かしい。知らない……町を歩いていると、ふいに、そう思うことがある」ショウウインドーの中を覗きこむ。ここに陽が当たってたら、いいのになあ。夕方、また寄ってみると、上空から一条の光線がビビビー。「お待たせしましたあ。太陽でございます」「ありがとね」お礼を言いながら写真を撮る。真っ青な空の下のボウリング場。公園のロケットの遊具。廃工場にある鳩小屋、舞い飛ぶ白い羽根。雑居ビルの中の妖しいオレンジの壁。水浴びするワニ、きらきらした日射し。