大企業を辞め福岡に戻った男。東京から追ってきた、友人の妻。人生の半ばを過ぎた二人は再出発できるのか――。大企業を辞め、故郷の博多で小さなバーを営む藤川圭吾の前に、かつての同僚の妻・美奈が現れた。心の通い合いを強く感じる啓吾だったが、あるひとつの疑念が頭を離れない――。人生の半ばを過ぎた男女が再出発に向けて研ぎ澄まされていく。企業の倫理、愛情の深淵をあますところなく描きこんだ長編恋愛小説。解説・池上冬樹※この電子書籍は2006年に光文社より刊行され、文藝春秋より2020年5月に刊行した文庫版を底本としています。