日本映画史に燦然と輝く孤高の役者・三國連太郎。彼が死の淵まで語っていたすべてを、長きにわたり付き合いのあった著者が描きだす。「批判や中傷を恐れたことは、今日まで一度もありません。むしろ、人生に余裕を感じることのほうが、僕は怖い。苦しみの中をのたうちまわりながら、自身と対峙していかないといいものはできない。安住してしまったら、役者はそこでお終いです。僕はこれから、もっともっと泥だらけになりたいと思ってます。」三國連太郎の人生は、彼の思うままだった。彼は役者である自身を、何より、誰より、強烈に愛していた。「演者として立てなくなった時点で、三國は半分死んでいるんです。だから、僕は、彼を半分看取っていた。」-佐藤浩市目次第一章 波瀾を歩く第二章「愚劣なもの」の記憶第三章 父のこと、母のこと第四章「五社協定違反第一号俳優」第五章 居に生きる第六章 鉄の意志第七章 セックスほど滑稽なものはない第八章 死の淵より第九章 浩市あとがき