※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。人づきあいというのは、本当にやっかいなものです。実際、人が抱える悩みのほとんどは、人間関係に関わることだとも言われています。いろいろと上手くいかなくて、「あー、面倒くさい! もう、イヤだ!」「ひとりでいる方が、よっぽど楽だ!」などと思うことが、誰でも時にはありますよね。 しかし、あなたがそう感じるのも当然のこと。実は、人間の脳や心には巧妙なワナが隠れていて、私たちは知らず知らず「苦しみの方向」へと誘導されているのです。 本書では、その原因やポイントをご説明し、その上で、具体的な解決方法を詳しくご紹介していきます。 この本でお伝えすることを、一言で表せば、「もっと自分を大切にしながら、周りの人たちといい関係を築いていく方法」です。「相手に振り回されすぎることなく、ちゃんと自分のために生きるコツ」と言ってもいいでしょう。相手も自分も両方を大事にしながら、人や社会と係わっていくことができる、とても理想的なコミュニケーションの方法です。 その実践にあたって、まずカギとなるのが「マインドフルネス」です。最近では、書籍や雑誌、テレビ番組でも盛んに取り上げられていますので、ちょっと目にしたり、聞き覚えのある方、実際に体験されている方も、だいぶ増えているでしょう。 元々は、仏教の瞑想法であるマインドフルネス。ごく簡単に言えば、「今」という瞬間に「自分の中で起きていること」に注意を向けた、丁寧な「気づき」の意識です。 マインドフルネスで心を静かにし、自分自身と深くつながった上で、さらには人と人との係わりにも積極的に活かしていくこと。まだあまり知られていませんが、そうすることによって、マインドフルネスの可能性は何倍にも広がっていきます。――「はじめに」より抜粋