「体芯」とは、体の奥の奥、体のいちばん深いところにあるといわれている「大腰筋」のこと。大腰筋は背骨と下半身をつないでいる唯一の筋肉で、これが衰えると寝たきりになると言われている。一般的な筋トレでは、硬い筋肉を作ってしまったり、偏りのある筋肉がついてしまったりする。それが原因で体の動きに歪みが生じ、膝や腰を痛める原因となる。第一、筋トレも体幹トレーニングでさえも、大腰筋にはほとんどアプローチできていない。「体芯力」体操は、背骨を動かす「前後、左右、ひねる」の3つの動作をベースにしたトレーニングで、「体芯」を鍛える。力んだり、苦しんだりせず、まるでストレッチをしているだけに見えるトレーニングだが、実はこれこそが、大腰筋が強化され、持久力も柔軟性も高まる秘密なのだ。体の芯の筋肉は骨に近いところにあり、自分では意識ができない。負荷をかけて鍛えようとしても、表面の筋肉を固めるだけで、芯の筋肉には届かない。力を抜いて行うことで、はじめて体の芯の筋肉に刺激が与えられるのだ。だからこそ、年配者や運動嫌いな人、ずっと運動をしてこなかった人、運動をする時間がない人でも、気軽に取り組むことができる。実際、著者のもとには、65歳以上の高齢者が3分の1を占め、腰痛や膝痛など、寝たきりのきっかけとなる症状が改善している。本書では中高年を対象に、大腰筋を鍛え、寝たきりにならないための「体芯力」体操を紹介する。