生保業界に新風を巻き起こした実在の人物をモデルに描く経済小説の傑作。「世襲人事」と批判された社長の息子は、現場で働き、みんなから慕われ、ただひたすら働き、そして……。大日生命社長を勤める父の強引な招きで、商社から取締役待遇で転職した広岡厳太郎。「世襲人事」との批判をものともせず、外務の“生保のおばちゃん”に学び、保険の国際化、法人営業部の創設など、革新的な新機軸を打ち立てるのだが……。英姿颯爽の快男児を描き、働き方や同属経営の問題に切り込む長編経済小説。解説・高成田亭※この電子書籍は『いのちの風』を改題、加筆修正して文藝春秋より2020年1月に刊行した文庫版を底本としています。