充たされぬ魂の行き先は、破滅か、新天地か?芸術家たちの理想郷「唯腕村」を舞台に繰り広げられる、絶望郷のごとき愛憎劇!唯腕村理事長の息子、高浪東一は、父の死をきっかけに、村の理事長となる。女を強烈に求め、利益を増やすことに執着する東一は、危険なビジネスに手を染め、マヤとも愛人契約を結ぶ。だが、心の渇きは癒されず、あるまじき手段で関係を断ち切ってしまう。十年の後、都会の片隅に沈んだマヤは、憎むべき東一の成功を知る。再会した二人を待ち受けるのは、破滅か、それとも――。性愛の暗部を容赦なく抉った衝撃作!解説・原武史※この電子書籍は2011年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版(下)を底本としています。