あらすじ幼い頃から華道に親しんできた仁美は、平日は一般企業の事務として働きながら、週末は茅野流本部のお手伝いをする日々を送っている。そして週末。差し入れを配る彼、茅野瑞は華道茅野流の『三代目家元』で、その才能と端正な顔つきからメディアでは『王子』と呼ばれるほどの人気ぶり。実は、同じ師から教わった兄妹弟子である瑞に、仁美は密かに恋心を抱いている。身分違いの恋だと、自分の気持ちに蓋をする仁美だが、ある日、瑞の想い人であると噂の〝瞳さん〟に恋人ができたという話を耳にする。――そばにいられるだけでよかったのに、私、いつの間にこんな欲張りになってしまったの……?瑞に触れられ揺れる仁美。純粋な恋心の行く先は――