狙いはただひとつ。伊達政宗の馘(くび)――。四百年の長きにわたり会津を治めながら、相次ぐ当主の早世で嫡流の男系が途絶えた芦名家。常陸の佐竹家より新たな当主として婿養子を迎えたものの、家中に軋轢が生じ、北からは伊達政宗の脅威が迫る。芦名家の行方は家臣筆頭の金上盛備の双肩にかかっており、ついに伊達との摺上原での最終決戦を迎えた。東北の名家の存亡を描き、直木賞候補となった出色のデビュー作。本屋が選ぶ時代小説大賞2017受賞!※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。