あらすじおおきくなる、つよく逞しく、この夜を越えてゆけ。自分の、ひとつひとつの輪郭がぼやけて、危機感をもてないまま今日も一日をやり過ごす。就職して恋愛結婚して、その先に何があるだろう。地震に金融崩壊。カタストロフに満ちた社会で、丁寧な明日をうまく保てない。ある日、夜の川のたもとで出会った少年。女友達の幼い子ども。そして舞い込んできたルームメイト。時を重ねて、夜の時間がほどけてゆく。黄昏日本の、みずみずしさをたたえた青春物語。「しずけさ」「愛が嫌い」「生きるからだ」の3作を収録した新芥川賞作家の飛翔作。