評定所に吹き荒れる嵐。天領の代官への訴追に潜む狡猾な企みとは?新任の留役組頭が評定所を牛耳らんと古参組頭に罠!代官はなぜ年貢米よりも、養蚕を領民に勧めたのか?上州の農民が真実を明かす。任地の上州で代官の権限を私し、年貢米を差し置いて領民たちに増産させた絹織物の売り上げを献上させ、私腹を肥やした──。折しも新任の留役組頭の『策謀』に揺れる評定所に送られてきた代官は、新任組頭と苦闘中の古参組頭の『恩人』だった。『罠』だ。謹厳実直で名を馳せた『恩人』を救え……。元留役の結城峰太郎と次男坊の小次郎、目付・遠山景晋の息子金四郎は上州へ。