法廷画家が描いたその絵は危険すぎる――。美人被告人は残忍な殺人鬼か、それとも聖女なのか?漫画家になりそこね、路上で似顔絵を描いて生計をたてていた袴田鉄雄。ある日、テレビ局からの急な依頼を受け、連続殺人事件裁判の「法廷画」を描くことに。注文通り仕上げた絵が無事に放送に使われた直後、何者かに襲われて怪我を負う。鉄雄の絵には一体なにが描かれていたのだろうか?容疑者の美人被告人は残忍な殺人鬼なのか、それとも聖女なのか?頭の回転の速い姪っ子、警察官、テレビ局、それぞれの思惑と発言が絡み合い、裁判の展開は意外な方向へ。予測不能、驚愕の法廷サスペンス。解説・北尾トロ※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。