忘れるな。『二郷一領』に潜む条理を。尽興和尚の寺に身を寄せていた荻乃は、その力を欲する讃良家の手に落ちてしまい…。『異能』の子・荻乃は尽興和尚の寺に身を寄せていたところ、その力を欲する讃良家の手に落ちてしまう。脱出しようと力を暴走させながら逃げ込んだ館の片隅、『異能』とも違う、けれど不思議とあたたかくて懐かしい女性と出会うが…。時同じくして、讃良家の家長・達人の命を狙う異能の男が現れる。そして、荻乃の兄・藤生と瑞悸は、『異能』の筆頭・有叉家の龍悟に真名で縛束されてしまい――「『異能』の子が集まったら…終わりにしような」龍悟の呟きには一体何が隠されているのか…?烏城あきらの初期作品、こづみ那巳名義で刊行された本格伝奇ファンタジー第二弾!