特攻作戦の全貌を綿密な取材と膨大な資料を駆使して明らかにした入魂の大作。ベストセラー『不死身の特攻兵』の鴻上尚史氏もリスペクトする戦史小説の金字塔!菊池寛賞受賞。レイテ決戦に執着する大本営が縋った特攻作戦。9回出撃しても生還した“不死身の特攻隊員”佐々木友次伍長。特攻隊を置き去りにして敵前逃亡した冨永軍司令官。特攻隊の命中率は非常に悪かったのに、大本営は米艦撃沈のウソの発表をして、国民をだましつづけた。大戦果をあげたはずの特攻隊員が、後で引き返してきたり島に不時着したりすると、この“生きた軍神”を直ちに“処刑飛行”に追い出すのだった。次々と消耗品のように死地に投ぜられた若者の群像を描く。