「トンデモ大統領」トランプが出現し、周近平やプーチンと渡り合い、金正恩と丁々発止と口撃しあう。そんな「混迷の現代」を理解するには、彼らの国がどんな経緯で、どのような関係性で立ち上がってきたのかを知ることから始まる。季刊誌として毎回特集テーマを掲げ刊行してきた 「文藝春秋SPECIAL」のバックナンバーの、世界史を特集した号から、近現代史の分野でひとつの時代につき一本文章を厳選、時代順に掲載していく、文庫オリジナルならではの一冊。問題意識が現代社会の事象と通じる、という視点で、国の成り立ち、宗教の持つ意味、世界との関連性が分かるような選択、構成を目指した。ヨーロッパ、アメリカは勿論、ロシア、中国、アラブ、韓国、北朝鮮など、いま国際的に注目されるあの国(あの国家群)は、いかにして今に至ったか。本書を「一気読み」すれば、近現代の世界史の全体像が、深く多面的に理解できる構成になっている。世界史全体の中でこそ見えてくる「現代」がここにある。【目次】序章近現代史を動かした5つの戦争 橋爪大三郎第一章「宗教政治」から「国民国家」への脱皮・ルターにも想定外だった宗教改革 澤井智朗・ウェストファリア条約~「世の終わり」からの脱却法 佐藤健志・フランス革命が明かす「暴力」と国家の真実 萱野稔彦・フランス革命も「外圧」の産物だった 中野剛志・ナポレオンが火をつけたロシアの魂 中村逸郎・南北戦争は世界初の「総力戦」だった 阿川尚之第二章 「帝国主義」の勃興と終焉・西欧近代史は音楽で学べ! 片山杜秀・ロシア革命 100年後の教訓 池田喜郎・大清帝国はなぜ滅んだか 杉山清彦・「行政国家」がヒトラーを生んだ 大竹弘二・文化大革命 毛沢東世界制覇の野望 楊海英第三章 アメリカ歴代大統領の業績を徹底分析・全採点! アメリカ大統領の値打ち戦後編 福田和也第四章 岐路に立つ国家・冷戦「冷たい戦争」か「長い平和」か 細谷雄一・韓国大統領はなぜ悲惨な末路を迎えるのか 木村幹・北朝鮮 粛清とミサイルの起源 鈴木昌之・「イスラム国」指導者の歴史観 浅川芳裕第五章 トランプのアメリカを分析する・「9.11」がアメリカを変えてしまった 宮家邦彦・実は合理的!? ゲーム理論で読み解くトランプ戦略 吉野太喜・シリコンバレーを支配するイデオロギーの正体 橘玲