息詰まる展開の「新・秋山久蔵御用控」第4弾!武家の妻女風の女が、名前も家も、昔のことも分からない状態で寺に保護された。だが久蔵の手下が見張りにつく中、女は姿を消した。女は何もわからない“ふり”をしているのではないか――。一方、仇討免許状を届け出た若い侍が、武家の妻女を探していた。侍は元宇都宮藩藩士で、兄を朋輩に斬られ、その敵を討つつもりだという。そしてその兄の妻こそが、何もわからないふりをしていた女のようだ。だがその頃、その女は敵であるはずの男を探し当て、そこに身を寄せていた。はたして事の真相は、そして女の目的は何なのか?