幕末を駆け抜けた鬼鉄こと山岡鉄太郎。剣豪の疾風怒涛の青春。父は小野派一刀流の宗家。「着物はボロだが心は錦」の六尺二寸、天衣無縫の怪人。幕府講武所の剣術世話役を務めて四年目の二十五歳。父は浅草の御蔵奉行をつとめた六百石の旗本小野朝右衛門、小野派一刀流の宗家でもあった。その四男の鉄太郎は少年期、剣に天賦の才をみせ、江戸では北辰一刀流の千葉道場に通い、激烈な剣術修行に明け暮れた。父の病死後、二十歳で格下の百俵二人扶持の山岡家に婿入りし小野姓を捨てた。幕府講武所の剣術世話役をつとめて四年目の万延元年三月三日、桜田門外で……。若き日の山岡鉄舟、新シリーズ第1弾!