あらすじ江戸のおんなの心意気を描く名人芸江戸のおんなを描いて「不世出の名人」と評された杉本章子、最後の傑作。夫が浮気相手と子まで生したことに嫌気が差して、おこうは婚家を離れた。実家に戻っても安息は訪れない。奉公人の周旋や仲介をする口入れ屋の女主人に雇ってほしいと必死で頼んだのだが……。大店の若新造から転身した人生の機微を描いて、泣かせます。単行本未収録の「ふたたびの浮き世」も掲載。解説・諸田玲子