世継ぎの家重を護れ!宮地家二代目「加門」に将軍吉宗から直命下る。側室が懐妊したばかりの、家重の病は果たして偶然か。加門の幼馴染み、十八歳の田沼意次は、家重の小姓。加門と意次は合力して闘う。享保元年(一七一六)、吉宗は跡継ぎのいなかった家継の養子となり、将軍を継いだ。紀州藩主であった吉宗は、紀州から多くの家臣を伴って江戸城に入った。そのなかに、宮地家も含まれていた。紀州から連れて来た薬込役(くすりごめやく)十七家を御広敷伊賀者(おひろしきいがもの)として置いたのである。江戸城に入ったとき、宮地友右衛門は二十五歳、三年後に二代目となる加門が生まれている。十八歳の若きヒーロー! 新シリーズ第1弾