徳川家統領の座を巡り、一橋家の治済が策す、田安家定信への深謀!病弱の田安治察が万一……。八代吉宗が遺言で決めた、御三卿存続の条件とは?九代家重の世から続く、田安家一橋家への思惑……。御庭番の宮地加門は幼い頃からの友で今は老中の田沼意次から城へ呼ばれた。御三卿一橋家家の治済が来るので隣室で聞いていてくれというのだ。陸奥白河藩から御三卿 田安定信への養子縁組みを渋っている定信へ意次の力で推進してほしいとの頼みだった。田安家の治察は病弱、万一のときは……。一橋治済の深謀、田安定信の 固辞 、そして老中田沼の胸中に渦巻くものは……?