あらすじ堺町通松原下ル鍛冶屋町。家々の並びにぽっかり口をあけた露地の奥、「鉄輪の井戸」の脇に、その店はひっそりと佇んでいた。百年は経とうかという町家カフェの女主人キリとの出会いが、私を古都にうごめく様々な怪異へと誘ってゆく。切るに切れない「縁」をテーマに、京都エッセイの第一人者が綴る、美しくも怖い「京都小説」。裏京都案内とも言える著者解題を収録。