一冊で芥川賞まるわかり。芥川賞の全歴史とエピソードが一冊に。市井の愛好家が、愛と外からの冷静な目で著した芥川賞“非公認”本を、文春文庫から堂々刊行。賛辞も非難もすべて盛り上がりの血肉にしてきた恐るべき文学賞・芥川賞。1935年の創設から八十余年、第1回から第155回まで、受賞者、選考委員、候補者、マスコミが繰り広げてきた壮大なドラマを、著者独自の愛と棘ある視点で描き、「日本一有名」なこの賞の秘密を解き明かす。いちばん面白くて読みやすい芥川賞史。事件上等!文運隆盛!の八十余年・「新人賞」なのに世間では破格の扱い。・派手な受賞は叩かれる。地味な受賞は嘆かれる。・太宰治の怒り、車谷長吉の「五寸釘」!?・そして「火花」の250万部突破――「文藝春秋がなぜこの本を文庫にしようと思ったのか、いまだによくわからない。もしかしたら、これが芥川賞の恐ろしさなのかもしれない」(著者)