ギリシャ以来、物質の最小の構成単位への人類の探求は、原子核とそれをまわる電子というモデルまでいきつく。しかし、1912年のある日、物理学者のニールス・ボーアは気がつく。なぜ、電子は原子核に墜落しないのか?まったく新しい物理学が誕生した瞬間だった。人類の極小を探る旅は、加速器というものさしを得て進歩する。それは宇宙の始まりを解き明かす旅になった。アメリカのフェルミ研究所で加速器を使い、極小の世界を追い求めたノーベル賞物理学者が、この新しい物理学の誕生から現在そして未来を綴る【目次】第一章 宇宙の始まりを探る旅第二章 その時、ニュートン物理学は崩れた第三章 世界は右巻きか左巻きか第四章 相対性理論の 合法的な抜け道第五章 初めに質量あれ第六章 何もないところになぜ何かが生まれたのか?第七章 星が生まれた痕跡第八章 加速器は語る第九章 ヒッグス粒子を超えて