子どもの6人に1人が貧困という日本社会。放置すれば43兆円が失われ、政府負担も16兆円増! 日本では衣食住に困るような絶対的貧困は少ない。しかしギリギリの生活で教育へお金をかけられない家庭の子どもは将来の選択肢がせばまり、大人になってから得られる所得が減るだろう。となると回りまわって国の税収は減少。彼らが職を失うことになれば、生活保護や失業保険といった形で支出は増大する。子どもの貧困は「かわいそう」などという感情的な問題だけではなく、私たち一人ひとりの生活を直撃する重大な社会問題なのだ。 本書では、データ分析、国内外での取り組み事例紹介に加え、生活保護世帯、児童擁護施設、ひとり親家庭の当事者たちへインタビューを収録。【おもな目次】<第1章 子どもの貧困大国・日本>貧困は「連鎖」する/子どもの貧困問題は「ジブンゴト」<第2章 子どもの貧困がもたらす社会的損失>子どもの貧困は何をもたらすのか?/社会的損失を防ぐために何が必要か?/子どもの貧困が閉ざす日本の未来<第3章 当事者が語る「貧困の現場」>ケース1(女性・二十代・自立援助ホーム出身)/ケース2(男性・十代・ひとり親家庭)など<第4章 貧困から抜け出すために>貧困の連鎖の正体とは/「社会的相続」への注目/ライフサイクル論<第5章 貧困対策で子どもはどう変わるのか>子どもの貧困対策に効果はあるのか?/幼児教育は生涯にわたって大きなインパクトをもたらす<第6章 子どもの貧困問題解決に向けて>「子どもの貧困対策プロジェクト」始動/家でも学校でもない第三の居場所を目指して