未知の荒野を目指して歩く男を描いた五木寛之の代表作。ジャズ・ミュージシャンをめざす二十歳のジュンは、新宿のジャズ・スポットで「お前さんには、何か欠けたものがあるんだよ」「あんたは苦労がたりない」と言われ、外国へ飛び出した。横浜港からシベリアへ渡り、そこからモスクワ、ヘルシンキ、ストックホルム、コペンハーゲン、パリ、マドリッド、リスボン・・・。ジャズとセックス、ドラッグ、酒、そして暴力にいろどられた放浪の旅は続く。世界とは? 人間とは? 青春とは? そして音楽とは?走り続ける60年代の若者たちを描き、圧倒的な共感をよんだ名作。解説は植草甚一