「プログラマーという人種はですね。他人とともに、自分も信じない人間なんですよ」やる気なさげなプログラマー探偵、鹿敷堂(かしきどう)登場!安藤裕美は20代で起業し、腕のよいプログラマーを企業に斡旋している。裕美の猛烈な営業で業績は順調に拡大していたが、そこに大事件が発生!自分の会社が送り込んだプログラマーが、取引先企業の持つ個人データ5万人分を暗号化して使用不能にし、そのデータの「身代金」を要求してきたのだ。事件が知られれば、取引先どころか、自社の存続も危うい。悩む裕美は、自社への出資者から補佐役として奇妙な青年を紹介される。それが鹿敷堂(かしきどう)桂馬だった。「僕は探偵でもなんでもありません。ただのプログラマーです」タイムリミットは2日間。2人は事件を解決できるのか。「僕にできるのは、デバッグぐらいですね」2016年の松本清張賞を僅差で逃したものの、選考委員の熱い支持をうけて異例のデビュー!「探偵役の鹿敷堂がいいキャラクターなので、シリーズ化に挑戦してほしい。プログラマーの世界をもっと読みたいという意見は(選考委員)全員一致した」(石田衣良氏・選評より)「働くひとたちへの熱い応援の気持ちと、社会やシステムへの疑問と怒りが作品にこめられていて、とても胸打たれた。しかしそれだけではなく、登場人物が魅力的で、読んで楽しい小説! おすすめです!」(三浦しをん氏)現役プログラマ、ゲーム作家として活躍してきた著者による超一級のエンターテイメント小説。