あらすじ「日本のシェイクスピア」とたたえられる近松門左衛門は、週刊誌のエース記者だった!?心中事件があったと聞けば駕籠で駆けつけ、遺体を見ては、事件の翌週に舞台にかける。恋、心中、姦通、横領、強盗、殺人……近松の描いたものは、いずれも「俗」の極致。その「俗」にジャーナリスティックな視線で鋭く切り込み、人間の本質を描くことで、近松は「俗」を「俗」に終わらせず、文学の高みにまで押し上げた。町人の恋愛や風俗を描いた人形芝居のため「世話浄瑠璃」、その近松の初作となる『曽根崎心中』。元禄時代の衝動殺人という衝撃的な事件を扱った『女殺油地獄』。近松の代表作ふたつを取り上げ、平易な現代語に翻訳。日本人なら読んでおきたい近松作品を味わえる一冊。