あらすじ介護施設に毎週、マッサージ治療の機能訓練に通う主人公の鍼灸師。五十山田さん(仮名)のひどい首凝りをほぐすうちに浮かび上がる、日中戦争の記憶とは――?ホモサピエンスとは、人間の、人間らしさを脱ぎ捨てた姿。「還ってしまっていいのですか? 人のかたちをした獣に」と呼びかける幻の少女の声。ユーモアと軽快さを武器に、異文化間の緊張をやわらげようとする試み。整体で身体の記憶と歴史を探る、第154回芥川賞候補作!