幼い頃、急激に普及したカラ-テレビは、明るい未来の象徴だった。そして、TV局で番組の制作をしている父を、裕子は自慢に思っていた。だがある日、若い女の肢体を執拗に追い続ける父の視線に気づいた裕子は、一瞬で父に幻滅する。そして時が過ぎ、年老いた父は…(第1話)。▼新興宗教の教祖だった母が死んだ。母をうとましく思っていた息子の豊は「おまえは姿も性格も母親似だ」という父の言葉にショックを受ける。だが、十数年後に父が死に、彼が実は、母の子ではなかったことが父の遺書で明らかになる(第2話)。▼両親から受け継いだホテルのオ-ナ-として君臨していた慶子は、幼なじみであり、彼女を慕う支配人の小宮英太にいやがらせをすることを日常の楽しみとしていた。だが、そんな慶子に営業の才覚などあるわけもなく、ホテルの経営状態は悪化の一途をたどった。小宮の奔走で、やっと融資をとりつけるのだが、融資の条件は慶子にホテルの経営から一切手をひかせることだった。そして慶子はホテルを去っていったのだが…(第3話)。