李空の身体は極上だ。天国を味わっているようなものだ。すべてを捨て、李空を捜す菅波。秘密を探られることを恐れながらも、二人の行方を追う永島――手に触れたその人の過去と未来を読み、抱かれることで死期まで見通す驚異の能力を持つがゆえに、常に孤独であった李空。従兄である菅波に陵辱され、頼る者もなく、追いつめられた彼が行き着いた結末は――記憶と力を失うことだった。海辺の町で保護された李空は心優しき医師と彼に懐く少年のもと、穏やかな日々を手に入れたかに見えたが…。一方で永島は李空のことになると冷静でいられない自分を自覚し、李空に執着する菅波との対峙を決意する。永島をつけ狙う政治記者・沢登の動きも本格化した今、再び出会える日はいつなのか――。そして菅波と李空の恐るべき業とは。無自覚の媚態がすべてを狂わせていく、怒涛のシリーズ第二弾。