あらすじ福沢諭吉はアジア蔑視の侵略主義者である――左翼論壇の一部からはこんな主張が絶えません。確かに『福沢諭吉全集』(岩波書店)には清国や朝鮮を下品な言葉で批判した文章がたくさん収録されています。しかし、それを書いたのは実は福沢ではなく、ある人物が福沢が書いたと偽って全集にもぐりこませたのだとしたら……? 一体、誰がそんなまねをしたのか。その目的は何だったのか。前代未聞の「思想犯罪」の謎を解明する、推理小説のように面白い画期的労作!