あらすじ彼(か)の人は、その治世のはじめから危所に足を踏み入れた。1926年12月25日、25歳の若さで玉座についた裕仁。金融恐慌、張作霖事件、浜口首相狙撃、血盟団事件――日本経済が破綻への道を進み、血なまぐさい事件が頻発する。若き天皇は、田中義一総理をはじめ多くの臣下との対立を経験しつつ、新時代の幕を開く。