あらすじ「世の人の心惑わす事、色欲には如かず。人の心は愚かなるものかな」――寛文10年(1670)、ある夏のさかりの夕方、杉森信盛(すぎもりのぶもり)は、南禅寺裏で心中前の男女の狂おしい抱き合いを覗き見した。美しい裸身を目に焼きつけた信盛は以後、自らも女修業を重ね、〃近松門左衛門〃と名乗って『曾根崎心中』など数々の名作を生む。波瀾に満ちた生涯を送った奇才の色道秘話を満載!