あらすじ旗本の娘・みほには家同士で決めた婚約者・森川求馬(もりかわもとめ)がいた。しかし、求馬を嫌ったみほは、家来の定右衛門と不義密通の末、駈落ちしてしまう。この駈落ちに、みほの使用人・いさと荷物持ちの卯八が加わって、男二人、女二人の奇妙な道行きとなる。互いの関係も次第に乱れ……。歴史小説の面白さと、市井の片隅に生きる人々の情緒とを満喫できる傑作時代小説集。(『無頼の残光』改題)