レイラ=ブルックスは、幼い時に馬車の事故で家族を失い、伯父のトーマス=ブルックス侯爵に引き取られた。正式な養子なのに冷遇を受け、天真爛漫だったレイラは、毎日息を殺して暮らしている。「ある力」のせいで伯父に利用され束縛されていたが、年頃になり美しくなったレイラにある日、運命を変える事件が起こる。それは、従姉妹のジョージアナの付き添いで参加した夜会で、異国から来た美しい青年アルヴィンとの出会い――。「君がそんなふうに一人で泣いているのは、俺には耐えられない」「君を泣かせるすべての災いから遠ざけたい」結ばれることはないと思っていても、アルヴィンへの気持ちが止まらないレイラは、ある決心をする。「今夜、私にお情けをいただけませんか―――」ひとり寂しかったレイラは時を超えて、運命の貴公子との恋に落ちる……。完結。※電子書籍限定書下ろし付き。