既刊(1-20巻)

実説 城谷怪談 撰集五

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1.「犬鳴峠」福岡県にある全国でも有数の心霊スポット。高校生だったチナミちゃんは、先輩にドライブがてら肝試しに誘われる。行先は犬鳴峠にある旧トンネル。チナミちゃんは霊感の強い幼馴染のアズサちゃんに声をかける。夏の夜、男女四人で訪れたそのトンネルは異様な空気感に包まれており、車中で写された記念写真にはいなかったはずの男の子の姿が。運転していた先輩の突然の死、肝試しに出向いたチナミちゃんに次々襲い掛かる怪異は日毎に増していき…。2.「お化け屋敷」中島さんという男性がまだ小学生の頃に体験したエピソード。当時、近くの神社のお祭りの縁日にあった移動仮設式のお化け屋敷は、チープな作りであったものの、子供心にはそら恐ろしい面白さを感じるものだった。五年生の中島少年が今年こそは独りでと、いざお化け屋敷の中に入ろうとすると、耳鳴りがしてきた。受付のおじさんの言葉も無視して中に踏み入ると…。そこは真っ暗で、外の喧騒も聞こえない異常なくらいの静けさだった。初めての体験に胸躍ったのもつかの間…。3.「子取ろ」全国の民話的伝承にも見られる子取ろ(一部では子取りとも)。体験者の石井さんは無根拠な伝説ではないのではないかと顔を曇らせた。彼がまだ子供の時分、冬休みに東北地方の祖父母の家に独り連泊で帰省した時の話である。夕方までに帰ってくるようにと言い含められて遊びに出た帰省の初日、石井少年はすっかり夢中になり、気が付けば日がとっぷり暮れてしまった。慌てて帰ると申告すると、一緒に遊んでいた友人たちの中に見覚えの無いやたら背の高い人影が目に留まった。気にせず雪道を急いで帰宅する道すがら後ろから誰かがついてくる。やがてすぐ近くに来ると石井さんにこう話しかけた。 「ねぇもう帰るの?」4.「消える鍵」札幌のとある高級マンションは幽霊スポットとして噂されていた。事情を知らずそのマンションに引っ越してきたある独身女性は入居して程なく不思議な出来事に遭遇する。お酒を飲んで帰宅したある晩。部屋の前まで見つからない鍵を取り出そうと、その場にしゃがみこんで鞄の中を探していると、突然目の前で玄関が音を立てて開いたのである。見知らぬ中年の男が隙間からこちらを見下ろし「お前じゃない」と呟いた。侵入者だと思い改めて部屋番号を確認するとそこは隣の部屋の前だった。ただの勘違いかと思っていたのだが、それがすべての始まりだった。
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実説 城谷怪談 撰集の作品情報

あらすじ

1.「犬鳴峠」福岡県にある全国でも有数の心霊スポット。高校生だったチナミちゃんは、先輩にドライブがてら肝試しに誘われる。行先は犬鳴峠にある旧トンネル。チナミちゃんは霊感の強い幼馴染のアズサちゃんに声をかける。夏の夜、男女四人で訪れたそのトンネルは異様な空気感に包まれており、車中で写された記念写真にはいなかったはずの男の子の姿が。運転していた先輩の突然の死、肝試しに出向いたチナミちゃんに次々襲い掛かる怪異は日毎に増していき…。2.「お化け屋敷」中島さんという男性がまだ小学生の頃に体験したエピソード。当時、近くの神社のお祭りの縁日にあった移動仮設式のお化け屋敷は、チープな作りであったものの、子供心にはそら恐ろしい面白さを感じるものだった。五年生の中島少年が今年こそは独りでと、いざお化け屋敷の中に入ろうとすると、耳鳴りがしてきた。受付のおじさんの言葉も無視して中に踏み入ると…。そこは真っ暗で、外の喧騒も聞こえない異常なくらいの静けさだった。初めての体験に胸躍ったのもつかの間…。3.「子取ろ」全国の民話的伝承にも見られる子取ろ(一部では子取りとも)。体験者の石井さんは無根拠な伝説ではないのではないかと顔を曇らせた。彼がまだ子供の時分、冬休みに東北地方の祖父母の家に独り連泊で帰省した時の話である。夕方までに帰ってくるようにと言い含められて遊びに出た帰省の初日、石井少年はすっかり夢中になり、気が付けば日がとっぷり暮れてしまった。慌てて帰ると申告すると、一緒に遊んでいた友人たちの中に見覚えの無いやたら背の高い人影が目に留まった。気にせず雪道を急いで帰宅する道すがら後ろから誰かがついてくる。やがてすぐ近くに来ると石井さんにこう話しかけた。 「ねぇもう帰るの?」4.「消える鍵」札幌のとある高級マンションは幽霊スポットとして噂されていた。事情を知らずそのマンションに引っ越してきたある独身女性は入居して程なく不思議な出来事に遭遇する。お酒を飲んで帰宅したある晩。部屋の前まで見つからない鍵を取り出そうと、その場にしゃがみこんで鞄の中を探していると、突然目の前で玄関が音を立てて開いたのである。見知らぬ中年の男が隙間からこちらを見下ろし「お前じゃない」と呟いた。侵入者だと思い改めて部屋番号を確認するとそこは隣の部屋の前だった。ただの勘違いかと思っていたのだが、それがすべての始まりだった。

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