放課後、教室で二人きり。――その時まで、僕は彼女を意識した事は無かった。「長津田君さぁ、ドSだって言われてたね」昼休みに男子同士で、今後どんなセックスがしたいかという話題になって……それぞれが憧れのプレイを話したのを彼女は聞いていたらしい。「……私が……縛らせてあげるって言ったら?」突然の出来事だった。彼女――、相原結愛の肩は少し震えていた。その震動が髪の先端にまで伝わっている。あの透明な瞳は……冗談を言って人をからかうような輝きじゃなかった。「相原は……縛られるのが好きなの?」わけもわからず、あまりにも咄嗟の事で。だからただ焦るばかりで。でも、何かのチャンスだという事だけはわかっていた。言葉を選んで、正しい選択肢を選べば、俺はきっと、彼女と――。どこかで憧れていた征服欲を、声に変えて相原に投げかけた。「――おい、俺に縛られたいのかって聞いてるんだ。答えろよ」「…………っ!……し、縛られ、たい……です……」困り顔で瞳を潤ませながら、相原は、俺に懇願を求めてきた。その瞬間、俺の背中に電流のような感覚がゾクゾクと走った。透明感に満ちた彼女の瞳は、いつのまにか淫惑な牝の瞳へと変わっていた事に気付いた――。※注意この書籍は、文中に現れる選択肢をタップごとにストーリーが変化する「アドベンチャーゲームブック」を含んでいます。選択肢をタップせずにページをめくると表示される警告文を無視して進みますと、現在、読んでいるストーリーの文脈とは、関係ない文章が表示されますので、ご注意下さい。