あらすじ剣術はからっ下手、性格は昼行燈と陰口を叩かれる程に鈍重、それがひと度女の事となると行動迅速という無類の女好き。主人である浅野内匠頭が刃傷沙汰さえ起こさなかったら、平々凡々の一生を楽しく送ったに違いない男。吉良邸討ち入りの夜、降りつもった雪の中、「寒い、寒い」とつぶやきながら、死に向かって歩んだ男。人として男として、なすべきことをやってのけた、大石内蔵助の生涯をさわやかに描いた傑作長編。