あらすじ「棟方志功の生涯は、遠い昔に滅び去ったはずの古代人の魂、すなわち文字の原義における鬼が、青森の貧しい鍛冶屋に生まれた小柄で筋骨型の毛むくじゃらな肉体をかりて忽然と姿をあらわし、前近代と背中合わせになっていた日本の近代のなかを風のように駆け抜けて行った一生のようにおもわれる」(あとがきより) ヴェニス・ビエンナーレのグラン・プリ受賞をピークとする長い全力疾走のはて、棟方志功が地平線の上に見たものは……。芸術の世界の広さと深さを描いた比類のない傑作。