刀を包丁に替えた時吉とおちよの夢が叶った。二代目の千吉が祝言!初めて花板としてのどか屋の春を乗り切る千吉は……。折しも道行く人をあおって恐怖を撒く大八車の暴挙に、黒四組下賜の十手が唸る!元武家で、刀を包丁に持ち替えて料理人になった時吉は、師匠である長吉の娘のおちよと結ばれ、跡取り息子の千吉が生まれた。のどか屋は二度の大火で焼かれたが、多くの常連客に支えられ、旅籠付きの小料理のどか屋としていまものれんが続いている。来年からは、千吉がのどか屋の花板で、おようが若おかみ、おちよは大おかみだ。時吉はやがて長吉の見世を継ぐことに……。*本書に登場する小料理*・鯛の姿づくり ・赤飯折詰 ・寒鰤の炊き込みご飯 ・寒鮃の湯ぶり・金麩羅 ・三色玉子焼き ・青柳の玉子とじ丼 ・海山雑炊と鯛煮麺・七草ご飯 ・納豆の青紫蘇揚げ