あらすじ能楽の鷺流宗家につたわる「鷺」は、一子相伝の秘曲である。だが先代はこの曲を若宗家でなく、先代の隠し子・高信に伝授していた。高信に迫る魔の手。そして、東吾の隠し子らしき男児があらわれて……! 驚きの表題作ほか、親が子を思う気持ちが切ない「松風の唄」、動機の不可解さが忘れがたい「おたぬきさん」、“女ってのは、思いつめるとおっかねえな”と東吾がつぶやく「目籠ことはじめ」、かわせみに捨て子が……「菜の花月夜」など、充実の8篇。